地球でピクニック

中東のバーレーン(バハレーン)在住。アラビア語は話せません。

中東でアバヤを着る必要がないというのは、なかなか物足りない感がある

私がサウジアラビアに住んでいた2018年時点では、サウジで既に宗教的観点からはアバヤ着用義務がなくなっていたとされていたけれど、その頃は間違いなく誰もがアバヤを着ていたし、それが普通でした。

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【2018年2月11日 AFP】サウジアラビアのイスラム高位聖職者が、全身を包む伝統的な黒い衣服「アバヤ」を公の場で着用することを女性に義務付ける必要はないとの認識を示した。厳格な社会規範の緩和に向けた広範囲に及ぶ取り組みの新たな兆しとみられている。国内最高位の宗教組織「高位聖職者評議会(Council of Senior Scholars)」のアブドラ・ムトラク(Abdullah al-Mutlaq)師は、9日に放送されたテレビ番組で「イスラム世界で信仰心のあつい女性の90%以上はアバヤを着用していない」と述べ、「従ってアバヤ着用を(女性に)強いる必要はない」と明言した。サウジは女性の権利を厳しく制限している世界有数の国で、アバヤ着用は法律で義務と規定されている。政府が法改正を表明したことはないものの、上位聖職者がその意向を示したのは今回が初めて。

「女性へのアバヤ着用義務付け、必要ない」 サウジの高位聖職者が発言 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

この2018年はサウジが世界で最後になる「女性の運転免許取得」解禁、2019年には音楽が解放された時で、サウジが変わるという瞬間を目の前で見ていたのですが、当然、その変化はある一部が先ずは(ドキドキしながら?)試して、問題がないよね?大丈夫だよね?のような暗闇の中を小さな灯りを持って進む速度で、一般に広がるまでには緩やかな時間が必要だったよう。

サウジは、イスラム教のスンニ派の中でも戒律の厳しいと言われている「ワッハーブ派」が主流で、女性に対する制約はサウジ人以外の外国人からするととても多い。

公共の場で男女が同席することを禁じていたり、女性はほぼ全ての活動で男性の後見人による許可が必要となる国だったのです。

日本人である私ですらサウジから出国する時には、空港に後見人(うーさま)に同行してもらい、「この人が海外に出るのを認めている」とアピールをしてもらう必要があったり(場合によっては、外国人は問われないこともある)、外貨への両替をしようとすると「あなたのIDだけではなく、後見人のIDが必要」と言われたり。

 

ですが、先日、うーさまの友人のサウジ人が「サウジアラビアは変わったよ。女性が顔出しているんだよ」と。

「アバヤ着なくていいの?」に「そうなんだ」と。

2021年、サウジが随分と変化したようで、嬉しいような寂しいような。なぜなら、私、サウジスタイルが好きだったので。

↓アバヤについての話を書きました。

alif-laila-wa-laila.hatenablog.com