地球でピクニック

中東のバーレーン(バハレーン)在住。アラビア語は話せません。

サウジアラビア80年代の結婚式風景を垣間見る

引越し前に、結婚式の招待状などを整理していたら(お呼ばれした式の招待状や席次など全部保存している意外と几帳面なO型女子)、結構な数の式に参列していた…

インパクト強かったのは、ディズニーでの結婚式。あの場所で式を挙げると、「プリンス&プリンセス」の衣装を選択出来るようです。王子を着こなしちゃっている新郎の普段着が想像できません。みなさま、ディズニーで結婚式をする場合、招待状に「シンデレラと王子が結婚式する予定ですので、それなりの格好でご参加ください」と書いてくださると色々な意味で覚悟と本気の衣装で挑めますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

さて、1980年代のサウジアラビア(リヤド)の結婚披露宴の様子の短編映画が[MIU MIU]のシリーズWomen's Tales から発表されました。

監督は、サウジアラビア初の女性監督。日本でもちょっと話題になった「少女は自転車にのって」を撮影したハイファ アル=マンスール氏。衣装はもちろん、Miu Miu。

この動画、社会や時代を学ぶ上で着目すべきポイントがたくさんありそうですが、今回は置いておいて…


Miu Miu Women's Tales #16 - The Wedding Singer's Daughter

劇中で何度も聞こえる歌詞。あまいあまい愛の歌なのかと思っていたら、こんな意味。↓一部抜粋↓↓

「ハビーブーラー」=神に愛された者

「ラー イラーフ イッラ ラー」=アッラー以外に 神は ない

(以上 うーさま訳)

ところで、このお客さんたちは、朝まで踊り続けるのですよ。すごいな、アラビアン結婚披露宴。そういえば、欧米もそうですね、新郎新婦がいなくなってからも朝まで踊り続ける客。日本のように披露宴に段取りは特にない(ように見える)。両親への手紙もないし、踊りたければ踊るし、歌いたければ歌っている(ような気がする)。

私、「欧」「米」での結婚披露宴に参加したことがあるのですが、どちらも披露宴で盛り上がっているダンスを見ながら、「これ、朝まで終わらないな」と思い、ひっそり会場をあとにしてました。

サウジでの結婚披露宴は、参加者が男女別室

外へ出る時は、洋服の上からアバヤを着るのが日常のサウジアラビア女子(黒いオバQっぽい)。男女が会する公共の場で女子の私服を見ることはありません。なんでアバヤ着ているのかというと、美しいものは隠しておくべし、というコーランに書かれている教えだからだそうです。美しいと言われたら仕方ない、隠すしかなかろう。

ただし、女子会など女子だけの空間ではアバヤを脱ぐのです。華やかな顔立ちに映える煌びやかな衣装にチェンジ(という噂。未体験)。

さて。1980年代リヤドでの結婚披露宴での女子会場が舞台のこの動画。

サウジでは披露宴も男女別室。基本的には新郎は男子会場、新婦は女子会場にいるらしいのですが、新郎新婦が揃ってお互いの会場に登場することなんかもあるそうで。うーさまが参加した披露宴は、男子会場に新婦は一度も来なかったな〜って言っていました。

男子会場での披露宴では、花嫁はベールを被ったままなので、新婦の顔は分からないじゃないか!と外国人の私は思いますが、女性は家族以外に顔を見せないものってのが普通なので、ま、そいういうものだよね的。

話を聞いていると、日本の平安時代小説読んでいるみたい。

しかし、女子会場で女子は新郎の顔が見られるのです!そうなんです。新郎新婦が入場する段になったら、アバヤを纏えばよいのですもの。例えるならば、修学旅行で夜長話をしているところに見回りの先生の足音を聞き、一気に布団に入って狸寝入りまでするくらいの素早さでの変化。この動画では、歌手が「男性が来るわ。覆って!覆って!」と声かけしてます。そう考えると、とても女子校っぽい映像。いや、やっぱり平安時代の女子部屋舞台裏。

なんとなく、披露宴の時くらいは新郎登場でもアバヤ着なくてもいいんじゃないか?と、思いますが、アバヤを一度着てしまうと、アバヤの安心感の半端なさに気付きます。

 

私の場合、サウジに来てからというもの、この「安心=楽」のため、アバヤに隠された体重増加をなんとしないといかん…ということです。女子空間でアバヤ脱げないじゃないか。