地球でピクニック

中東のバーレーン(バハレーン)在住。アラビア語は話せません。

外見の美しさは隠されていても、性格の美しさは隠せない

神秘的なヴェールを纏ったアラビア女子。むちゃくちゃ優しいのよって話。ここ1ヶ月内だけで何度も、私、彼女らの優しさに包まれまくってます。

事例1:ショッピングセンターでちょっと急いでいた私の顛末

f:id:alif_laila_wa_laila:20211030093907j:plain

当地ではエスカレーターを階段のように歩く人はいません、というかそもそも基本的に急いでいる人というかスポーツ以外目的で走っている人を見た事がない。

その時の私はちょっと前に気が滅入ることがあり、気分はブルー。とはいえ、そんな精神状態とは全く関係なく、急がねばならぬ用事がありショッピングセンターに。急いでいようとも、当地でのルールに従いエスカレーターを歩くことはなく、エスカレーターが連れて行ってくれるのを待ち、降りたわけです。ですが、なんとも急いでいたので、そこで小走り体勢へ切り替えた私。

さて、その建物の床は大理石(風?)で、とても掃除が行き届いていたためツルツルに磨き上げられておりました。それはもう、顔が映るくらいに。そんな床を蹴りあげた途端、ここにバナナあった?ってくらいの勢いで身体が崩れた私は、見事に顔面から転びました。床ギリギリのところで、なんとか肘を付いたとは思うんだけれど、顔面強打。頬骨が床に打ち付けられ「ゴスッ!!」とものすごい音が己の耳に鮮明に響く。あまりの衝撃に声が出ないくらい。そして咄嗟に起き上がれないくらいの痛さ。この痛みは、以前、転んで眼窩の骨にヒビが入った時のに近い!と瞬時に思い出す←ものすごく辛かった記憶。痛みを忘れるって絶対に嘘だよね。鬱々した精神状態で顔面から転んだため、もう本当に泣きっ面に蜂。

この音で、携帯で話しながら私の前を歩いていたアラブ女子が振り返り、わざわざ通話を切って駆け寄ってきたくれたのですよ!

そばに来て「大丈夫?」と。

「あ。だいじょぶ…ありがとごじゃいまし(顔が痛くて、言えてない)」と言いながら、ゆっくり立ち上がった私(たぶん、立ち上がれていたはず)。

そしたらですよ、彼女は私の手をぎゅっと握りしめてきて「本当に平気なの?人を呼ぼうか?」と。本当に心から心配をしてくれている顔なんですよ。

ものすごく温かい手に包まれて、彼女の声を聞いていたら、痛みのためじゃなくて、彼女の優しい気持ちに涙が出てきて。彼女は、私が泣いているのが痛みのためだと思ったと思うけれど。あなたの対応が転んだ痛みだけじゃなくて、弱っていた心の私には天使すぎたからなんです、と言えず、お礼を言ってなんとかその場を後にして、トイレに駆け込んでボロボロに泣きました。天使に出会ったおかげで精神は癒されましたが、打ち付けた部位はしばらく触るのも痛い日々でした。

現在は、見事な青アザ→赤アザへと回復中です。顔はマスクで隠せる部分なのと化粧でおおよそ誤魔化せてると思ってます。

 

事例2:カフェでお茶しながら仕事をしていた私が出会った家族

本日、私はカフェにPCを持ち込んで作業をしていました。そのカフェは、うーさまがお気に入りのアラブパン料理(ピザみたいな感じ)を出す店。食事が美味しいので私も好きなんですが、なんとメニュー表記がアラビア語しかないので、アラブ人しかいません!

f:id:alif_laila_wa_laila:20211030093956j:plain

メニューも価格もアラビア語表記。お店の人の助けがないと注文できない。

ここはそもそも一人席というのがない店なんですが、私が店員さんに案内されたのは2席を3テーブル並べた6人席。ひとりだけど。

ちょいちょい店が混み出してきて、気がついたら満席。3人の家族客(推定30代くらいの女性とその父、女性の娘)が席を探していたので、「私、1テーブルで十分なので。テーブルを離しましょうか?」と声掛けをしたら「ありがとう。でも、テーブル離さなくて大丈夫よ。相席してもいいかしら?」と。私は特に気にしないのでいーですよってことで、テーブルくっつけたまま、3人の家族は楽しそうに会話と食事を、私はひとりPC作業しながらお茶(パンも食べてたけれど)を。

f:id:alif_laila_wa_laila:20211030094152j:plain

これ、アラブパンの中にチーズとかターキーハムとか挟んであるの。店の釜で焼いて熱々を出してくれる。

 

しばらくすると、店員さんがクッキーを私のところへ持ってきたので、「あ、これ私のオーダーじゃないですよ」と伝えたところ、「(相席している)こちらの方からです」と。

f:id:alif_laila_wa_laila:20211030094036j:plain

テーブルを一緒にしていた家族の女性から「席をね、本当にありがとう。助かったわ。これは私が大好きなクッキーなの。タヒーニ(ゴマペーストのアラブ料理)が入っていて、美味しいからぜひどうぞ」と。「タヒーニはヘルシーだから、ダイエットにもいいんだよ」と自分のちょっとぽよんとしたお腹を指しながら、おじいちゃん。そう言うと、家族はさっと席を立って帰っていきました。

たしかにこの国では、お店が混んできたからと使っているテーブルを分けることはしないのが普通みたいなんだけれど。たったあれだけのことで、まさかこんな幸せな気持ちにさせてくれるお返しに繋がるなんて思わなくて、彼女たちの優しい気遣いに感謝したひとときでした。

 

私が出会うアラブの女性って、心が美しくて本当に優しい人が多くて、私は彼女らの心遣いに感動すること多いです。自分の在り方を見直さなきゃ、と自戒することしばしです。

マザーテレサも「思考に気をつけなさい、(中略)それは運命になるから」(←中略しすぎです)と言ってますし、高校生の時の担任は言ってました「心の綺麗な女性でいてください。そして、いつでも人のためにできることをしてください」と。ほんと、そうだよね。