私の独断と偏った経験値によりますと、雑誌『オリーブ』を読んでいた人は、おおよその確率でパリとロンドンが好き。映画『アメリ』でパリ好きになった人はこだわりオシャレさん。ロンドンの『リバティ』デパートが好きな人もパリが好き（それはロンドン好きじゃないのか？と自問自答したが、うん、たぶんパリが好きな人だと思う）。パリに憧れてパリ留学をした人は大体、パリに幻滅する。
さて、中東人もなんか知らないけれど、やたらフランスが好きなんじゃないかと思ってる。なぜってオシャレな構えの店名は大体フランス語だし、いつも人気のカフェは大体フランスのベルサイユっぽい色合いと装飾。高級洋菓子屋さんには「マカロン」が置いてある。という至極単純な理由により、フランスが好きと認定いたしました。
そして、中東世界でほぼ忘れかけられていた『アラビアンナイト（千夜一夜物語）』が見直されたのは、ルイ14世のフランス宮廷だったこと、その後フランスの東洋学者ガランによって編纂された『アラビアンナイト』が大衆にファンタジー文学として広がっていった経緯を考えると、フランスも中東好きなんだと思う。現代では宗教が絡む問題からフランスでは中東の服装文化を受け入ないとか諸々あるけれど、好きの裏返しかしら←無責任発言なのでよろしく。
中東の島国バーレーンの繁華街（飲食店街）の中でも、朝から夜中まで人が途絶えることのないカフェがあるのです。それってやっぱりフランス風カフェ。近くにあるコンテンポラリー、シンプルなカフェに人がいなくても、フランス風のこの店だけはいつも大盛況。バーレーン人だけじゃなくて、サウジ人にも大人気。なんでサウジ人に人気と言い切れるかというと、横付けされている車の大半がサウジナンバーだから。サウジ人、このフランス風な雰囲気を味わいに橋を渡ってお茶をしにバーレーンまで来てるからね。
聞いたら、2020年のCOVID-19が猛威を振るい始めから2021年春くらいまでのウィルス感染者が多かった頃は、サウジが鎖国をしていたため、繁華街どころかバーレーン全体が閑散としていたそうで。バーレーンの経済はサウジが支えているという噂もあながち冗談ではないのかも。
スイーツ男子には天国だと思う
カフェの中に入ると、ラブリーな店内で男子3人組がひとつのデザートをつつき合いながら語っていた。中東では結婚するまでは家族以外の異性と接することが少ないので、よく見掛ける風景。文化的にお酒を飲まないから（飲む人もいるけれど）、スイーツ片手にずーっと話している。そういえば、先日、うーさまとサウジ男子がご飯食べながら「GCC内でどこの女子が一番美しいか」とかそんな話ばっかりしてたと言っていた。顔出し面積少ない女子でも判断できるものらしい。中東男子ってすごい。うーさまは私がアバヤ＋ヒジャブ着てるだけでも5mくらい離れたら見失うというのに。。
隣には女子2人組と、その向かいには男女カップルに家族連れ。一見普通の風景だよね？と思うでしょうが、これちょっと前までのサウジではあり得ない風景で、こういう明るい雰囲気を味わいにバーレーン旅行してたよなあ、と思い出しました。
"La raine de bois"って何の食べ物だろう
さて。フランス風カフェはメニューの名前こそフランス語になってますが、中東仕様です。フランスで見かけない種類の生ジュースあります。
アボカドジュース。これ大好き。あったら絶対に頼む。
ここはフランスにありそうなテラス席まであるんだけれど、バーレーンでは昼間はまだ日差しが暑いので、テラス席はフランスカフェ雰囲気を楽しむだけに存在している。中東人が暑さに慣れていると思うかもしれませんが、彼らは日本人よりも冷房が効いた環境に親しんでいるので、昼間のテラス席とか絶対選ばない。まずは日陰を用意してくれ。
そういえば、フランスで真冬の寒い中で凍えそうになりながらコーヒーを飲む人を見掛けるんだけれど、暑さ寒さどちらにも耐性のない根性なしの私には真似できない。
店を出て裏を見ると隣にモスク。あら、やはりここは中東だったのね、と思い出します。
バーレーンとは違うサウジの飲食店について↓
alif-laila-wa-laila.hatenablog.com
＜お店情報＞
- Café Lilou : Bldg108, Road 3803, Block 338, 5412 Adliya, Manama, Bahrain
